里山を整える

長野県小川村の薬師沢石張水路工。もともと土砂崩れの多いこの地で、山に降り注いだ水がスムーズに下流域に流れ出るように作られた用水路がこの用水路。機械も輸送手段もない時代に最大1mにも及ぶ岩を運び、積み上げられた美しい石垣を見ると、途方もない時間と手間をかけたものだとまじまじと見入ってしまう。
 
用水路の両脇には散策道が整備され、地元の中学生やボランティア、県の方々が年に２回大規模な草刈りをしてこの美しい景観を維持しています。
 
今日は春の草刈り。総勢150名にも及ぶ草刈り。みなさん手慣れたもので、うっそうとした草がみるみる片づけられ、ものの数時間でまたあののどかな里山の風景になった。
 
里山は人が手を入れて整備した土地。日本の豊かな里山の風景はそこに住む人たちの途方もない「手間」で成り立っていると思うと、何気ない景色もまた違ったものに見えてきます。